• ホーム
  • HIVの治療は劇的に進歩を遂げている

HIVの治療は劇的に進歩を遂げている

2020年07月01日

HIVは、エイズと同様に不治の病と呼ばれ世間から偏見の目で見られた時代もありますが、現在では様々な治療薬が開発され劇的に治療法が進歩したことで不治の病からコントロール可能な病気に変わりました。

HIVは、有害な細菌やウイルスを死滅させるCD陽性細胞とも呼ばれるマイクファージやTリンパ球に感染し免疫力を低下させるヒト免疫不全ウイルスであり、HIVが増殖し23種類のエイズ指標疾患を発症時点でエイズと診断されます。過去には、治療薬の副作用が激しかったことからCD4陽性リンパ球数が一定以下に低下するまで治療が施せず、ウイルスの増殖と免疫力の低下をただ見ていただけなので不治の病とも呼ばれました。しかし、現在ではCD4リンパ球数が500/μlの早期から治療を開始することができ、治療薬の医薬効果が高められただけでなく副作用の発症頻度や副作用の症状重篤化を抑制し進歩させたことで多剤併用療法が可能となりました。

HIV治療は、ウイルスの増殖を可能な限り抑制するためにHIVの増殖の各過程を阻害するプロテアーゼ阻害剤やインテグラーゼなど数種類の治療薬を組み合わせる多剤併用療法が1996年より行われており、多剤併用療法はウイルスの増殖をコントロールすることでエイズの発症を可能な限り延長することができます。HIVは、白血球表面の膜タンパク質CCR5結合することで人間の細胞に進入しますが、突然変異型CCR5を有する人間はHIVに感染しにくい耐性があります。最新の臨床試験では、HIVに耐性のある人間の幹細胞を感染患者に移植したことで18カ月にわたりウイルスが減少し続け、ウイルスを検知できないだけでなく症状を発症していない臨床的にコントロールされている状態まで回復しました。

HIVは、病原ウイルスを多く含む感染者の精液や膣分泌液及び血液に直接接触する性的接触による感染者が最も多いとされ、同性間性的接触が全体の7割以上を占め異性間性的接触が約2割となっている感染症です。予防方法は、避妊具コンドームが一般的かつ最も信頼性が高いとされていますが、性的接触だけでなく血液を介する感染や感染した母親から感染する母子感染などの3種類の感染経路があります。
適切な治療と確かな母子感染の予防対策を施すことで感染リスクが0.5%以下まで抑制されており、母子感染の予防方法は分娩時にウイルスの増殖を抑制するレトロビルの点滴や産道感染を避けるために予定帝王切開などを行います。