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自覚症状の出にくい性病!膣トリコモナスに要注意

2020年02月02日

トリコモナス感染症は、膣トリコモナスや口腔トリコモナス及び腸トリコモナスなどが原因で引き起こされる感染症ですが、膣トリコモナスは発症後も約20%?50%の女性患者に自覚症状が出ない性病なので感染に気付かないことが多く注意が必要です。膣トリコモナスは、膣とあるので女性だけの性病と思う男性もいますが、アメリカ合衆国では毎年500万人の男性と女性が感染しており日本国内には700万人の感染患者がいるとも推測されている性病です。

膣トリコモナスは、口腔トリコモナスや腸トリコモナスと同様にトリコモナス原虫が原因で発症し、最も感染者の多い感染経路が性行為とされています。しかし、膣トリコモナス原虫は膜に包まれた嚢胞や病理組織などを形成することなく感染するので、感染経路が性行為だけでなく便座や共同浴場の浴槽の縁などの接触でも感染することがあり、極稀に産婦人科の診療を受けた際に感染したケースもある感染症です。

膣トリコモナスの治療には、ニトロイミダゾール系抗生物質メトロニダゾールを主成分とするフラジールによる薬物療法が多く、1回250mg、1日2回の服用を10日程度継続します。
フラジールは、経口服用後主成分のメトロニダゾールがトリコモナス原虫の体内に取り込まれ、取り込まれたメトロニダゾールが有機化合物ニトロソ化合物に変換される事で活性化される殺菌作用を発揮し死滅させる治療薬です。変換されたニトロソ化合物は、膣トリコモナス原虫に対して強い殺菌作用を及ぼし死滅させますが、変換反応の際に生成される一般に活性酸素と呼ばれるヒドロキシラジカルが原虫のDNAの螺旋構造を切断する医薬効果を示します。
膣トリコモナスは、縦に2分裂することで増殖する特徴的な増殖を短時間に繰り返す原虫ですが、ヒドロキシラジカルによって切断されたDNAは機能障害を引き起こし分裂増殖ができないまま死滅します。

フラジールは、膣トリコモナス原虫に取り込まれることで活性化されるので感染患者の細胞への悪影響がなく比較的副作用が少ない治療薬ですが、一般的な治療期間の10日間を超える長期服用や大量服用は末梢神経障害や中枢神経障害を発症しやすくなる治療薬です。そのため、四肢の痺れや意識障害などの重篤な副作用を発症することがあり、体質や既往歴によっては激しい腹痛を伴う大腸炎や上腹部から背中に耐え難い疼痛を伴う膵炎などを発症することがあるので医師と相談して治療を継続する必要があります。