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似て非なる単純疱疹(ヘルペス)と帯状疱疹

2019年11月08日
患者を励ます医者

単純疱疹(ヘルペス)と帯状疱疹は、赤みを帯びた小さな水ぶくれや発疹などの非常に似ている症状を発症する感染症ですが、発症原因となるヘルペスウイルスや一生涯再発を繰り返す点が大きく異なります。
ヘルペスウイルスは、全世界で160種類以上確認されているウイルスですが、160種類以上のヘルペスウイルス中で8種類だけが人間に感染するとされている感染症です。

単純疱疹は、口唇ヘルペスの病原HSV-1と性器ヘルペスの病原HSV-2によって発症しますが、帯状疱疹は幼少期に好発する水痘を発症させる水痘・帯状疱疹ウイルスによって発症する病原の違いがあります。単純疱疹は、口唇周辺や陰部粘膜に帯状疱疹と良く似ている水ぶくれや発疹を発症し、病変部に近いリンパ節が腫れるとともの軽い発熱を伴うことがあります。

初感染時には、初感染患者の約7割が無症状のまま治癒しますが、初感染時から2日間?10日間程度経過すると軽い掻痒が発症し、急激に発熱や倦怠感などの全身症状とともに患部に激しい痛みを伴う水ぶくれやびらんを形成する感染症です。単純疱疹は、一度感染すると一生涯キャリアとなるので自己免疫力が低下すると何度も再発を繰り返しますが、帯状疱疹のように罹患後に神経痛やしびれなどの後遺症が残ることはほとんどない点も大きな違いです。

帯状疱疹は一般的な感染症のように他人から感染するのではなく、幼少期に罹患した水疱瘡のウイルスが後根神経節に潜伏感染し、潜伏感染していたウイルスが再活性化することで発症します。帯状疱疹は、単純疱疹のように年代に関係なく発症するのではなく、50歳以上の高齢者に好発する違いがある感染症です。

帯状疱疹発症当初は、皮膚の違和感を感じ皮膚に神経痛のようなチクチクとした痛みや焼かれるような灼熱痛を感じるようになり、次第に眠れないほどの強い痛みを伴う帯状の赤い発疹が3週間?4週間程度続きますが、重症化すると日常生活に支障をきたすので入院治療が必要になる患者もいます。

水痘・帯状疱疹ウイルスは、感染すると体内に強力な抗体が形成されるので単純疱疹のように1年に何回も再発することなく一生涯に一度の感染で済む特徴がありますが、加齢や過剰な疲労などによって著しく免疫力が低下すると極稀に再発する感染症です。
単純疱疹と帯状疱疹は、水ぶくれや発疹などの症状が非常に似ていますが、病原ウイルスや再発の有無など全く異なる感染症です。